私は生きている・・・  救急搬送

2014年5月9日 夜

妻は呼吸困難で、長年お世話になっている病院に

救急搬送されました。

 

その日、担当医のH先生は休日でしたが、病院から連絡が入り、

救急車が到着するまでに病院で待機してくれていました。

 

病院到着後、すぐに治療室に運ばれて検査が始まりました。

 

どれだけ時間が経ったのか、全く覚えていません・・・

 

しばらくして、治療を終えたH先生から受けた説明は、

耳を疑うものでした。

 

「片方の肺が全く機能していません・・・

 残りの肺も60%が機能していないのが原因で、

 意識を失い、呼吸困難の状態です。

 とりあえず、応急処置で意識は戻りましたが、

 今晩が山場です。

 乗り切れたとしても、もって2~3日です・・・」

 

あまりにも突然の事態に、すぐには理解が出来ませんでした。

 

とりあえず娘に連絡をして病院に来てもらい、

僕は娘が到着して入れ替わりに、急いで自宅に戻り、

入院の支度をして、病院に戻ったのは深夜でした。

 

病室に入ると、妻はうつろな目で僕を見つけて、

「ごめんね・・・」と、一言言って目を閉じました・・・

 

妻の手を握り、頬を近づけて、息をしているか確認しながら、

「大丈夫・・・大丈夫・・・」と、

心の中で自分自身に何度も言い聞かせていました・・・

 

長い夜が明けて、妻も目を覚ましました。

 

妻は意識を失い、救急搬送されたことを覚えていませんでした・・・

 

娘から説明を受けて、やっと自分の状況を把握して、

何故、酸素マスク、点滴をして、心電図が付けられているのかを

理解しました。

 

そして・・・

「もう・・・無理かな・・・」

 

妻の頬には涙が・・・

 

今までに見たことのない悲しい目で・・・

 

無理に微笑んでいました・・・

 

僕は何も言えなくて・・・

 

ただ黙って、妻の手を握ることしかできませんでした・・・