私は生きている  コロナと持病 

僕は30代前半に一過性脳虚血発作で病院に運ばれた。

 

脳の血管が詰まって、血液が流れなくなる病気だが、

幸いにもすぐに流れ始めたので、脳梗塞にはならずに済んだ。

 

当時は「24時間戦っている猛烈サラリーマン」で、

飲酒、喫煙、睡眠不足の毎日で、

病気になってあたりまえの生活だった。

 

その日から禁酒禁煙、栄養バランスを考えた食事に加え、

血圧を下げて(発症時、上が190、下が120)

血流を良くする薬を毎日服用するようになった。

 

この生活は30年以上、今も続いている。

 

初めは運び込まれた大学病院に通院していたが、

2時間以上待たされたあげく、診察はわずか5分・・・

通院に往復1時間半かかった。

 

それでも命を助けてもらったことと、

適切な治療で回復したことには心から感謝している。

 

今は歩いて3分の小さな病院で薬を処方してもらっている。

年配の女医さんで、妻が亡くなった後の精神状態なども

気に掛けてくれて、愚痴などにも付き合ってくれる。

 

ただ小さな病院なので、待合室も狭く、

患者同士でかなりの密になるため、

昨年の夏以降は処方箋を近くの薬局にFAXしてもらい、

薬が用意できると薬局から電話連絡がくる。

薬の受け渡しは薬局の外まで薬剤師さんが持ってきてくれる。

 

コロナのせいで、僕には癒やしだった何気ない先生との会話が無くなった。

 

持病がある高齢者は重症化する確率が高いと言われている。

僕も手洗い、うがい、消毒、ステイホームなど

自分ができることは本当に気を付けている。

 

それは当然、自分が感染しないことと、

他人に移さないためである。

 

ところが最近の街頭インタビューでは

あまりにもコロナウイルスを軽視する発言が多く、

自分さえ移らなければいいという

自分勝手な考え方に呆れるどころか腹がたつ。

 

政府の遅すぎる対策に対しても

毎日にように批判の声が多く、

 

「いったいこの国は、世界はどうなってしまうのだろう・・・」

 

と毎日憂鬱になっていく・・・

 

 

その暗い毎日の中でも、

明るい未来を期待して生きていく・・・

 

 

生きていかなければならない・・・

 

 

 

私は生きている・・・