私は生きている・・・妻との約束

 妻が亡くなる前日に、妻と二つの約束をしました。

 

 

一つ目の約束は、僕が長生きすること。

 

この約束をさせられたのは、妻が亡くなった後に、僕が妻の後を追うことを

妻に悟られたからです。

 

「死」を覚悟した妻は自分の事よりも、僕の事を心配していました。

僕は妻が逝った後に妻の元に行くことで「妻の死」を受け入れようとしていたので、

この約束は正直辛かったし、妻を恨みました。

僕が「頑張れる理由」は、僕が「生きる理由」は「妻」だったし、

妻が「僕の全て」だったからです。

 

おそらく後を追うであろう弱い僕を、叱咤するつもりだったと思います。

 

ですから、妻の元へ行こうとした僕を

「まだ二つの約束を守ってないから、こっちへ来ちゃだめ!」

と言ってこの世にとどまらせたのだと思います。

 

 

 

二つ目の約束は、NPOを作る事です。

 

実は妻が癌を発症してから、癌患者さんとそのご家族のために

「一緒に頑張ろう!」「一緒に生きていこう!」をスローガンに

「がん友の会」というNPO法人を立ち上げる準備をしていました。

ところがあと少しでスタートできる段階で、妻の容態が悪くなり、

断念したのです。

妻は、そのNPOをもう一度立ち上げる事を、僕の「生きる目的」に

したのです。

 

 

妻が亡くなる前日に、僕と交わした二つの約束・・・

 

 

その約束を果たす為に・・・

 

 

今、僕は生きています・・・

 

 

そして約束を果たした後には・・・

 

 

堂々と胸を張って・・・

 

妻の元に行きたいと思います・・・

 

 

その時は・・・

 

きっと妻も許してくれると思います・・・

 

 

 

私は生きている・・・