私は生きている・・・(最愛の妻を亡くして僕は鬱になりました)
ついに3年連続、3回目の手術のために、今年もXmas、年越しは
病院で迎えることになりました。
子宮から始まり、体網、肺、肝臓、胆嚢へと次々に転移していきます。
妻の病気は
「子宮平滑筋肉腫」ステージ4
5年以上の生存率は、僅か5%未満という難病です。
日本で完治は難しく、これといった治療方法がありませんでした。
それでも諦めること無く、常に笑顔で、仕事に治療に全力でした。
その頃の妻の手記を紹介します。
<3度目のXmas、そして年越し>
2011年のXmasも、3年連続病院で迎えた。
主人からは、黒地にピンクのハート柄のパジャマ、
娘からは、バイト代で買ってくれた、スワロフスキーの
ボールペンとバラの柄のピンクのショートガウン♡
思わぬXmasプレゼントに、最高の喜びと幸せを感じた。
当初は肝臓摘出時に、背中までメスが入ると聞いていたが、
ろっ骨を持ち上げ、転移した肝臓7%と、患部真下にあった胆嚢を、
引っ張り出しての全摘出ができ、切開は背中に及ばずに済んだ。
術後、暫くはまだ生々しく、まるでゴジラの背中のように、
縫合した皮膚は、赤く隆起していた。
身体中に痒みを感じ、看護師さんが来る度に、痒み止めを塗って貰った。
術後は順調であり、婦人科の担当医のH先生は、
毎日、病室に来てくださった。
2年以上もの日々をH先生と歩んできた今は、
何でも相談ができ、顔を見るだけでも
安心できる信頼関係が、できていた。
ピアニストのKさんが、Xmasの翌日にお見舞いに来てくれた。
なんと!袋の中から出てきたものは・・・
15㎝位はある立派な「お供え餅」だった。
それをテレビ台の上に飾ってくれた。
多分、病室にお供え餅を飾っている人は、
かつていなかっただろう。
病室に入ってくる看護師さん達も、びっくりしながらも、
「良いお正月が迎えられますね。」
と笑顔で答えてくれた。
3度目の手術と、
数え切れないほどの入退院を繰り返していると、
楽しい入院生活の知恵が湧いてくる。
例えば、乾燥した病室に濡れタオルを2~3枚干しておく。
勿論、ハンガーや洗濯ばさみも数個。
お気に入りのアロマオイルを
枕カバーの代わりに巻いてあるタオルや、マスクに付けて、
リラックスの導入。
ハワイのレストランで飲んだ、カクテルに付いてきた孫の手。
これは点滴中に、動作が不自由な時に、まさしく「手の代わり」
になり、けっこう使えた。
体調が良い時は、ポータブルDVDプレイヤーで映画鑑賞。
部屋の仕切られた部分には、
ハイビスカス、ホヌ、プルメリア、の柄が入った、
大きなハワイのバスタオルを、タペストリーのように吊るし、
マイルームとして楽しんだ。
今回は、術後に抗がん剤治療が無かった分、
ドレイン等、たくさんの管は下げていたが、
退院に向けて、穏やかな年越しを迎えられた。
私の頑張ってくれている身体に・・・ありがとう・・・
私のために、元気、勇気、安心、笑顔、優しさを与えてくれた、
主人、娘、両親、H先生、看護師さん達、友人達の顔を
浮かべながら、心から感謝した。
そして、2012年を迎え、また新たな闘いに・・・
私は生きている・・・
(次回は <冬の花火> です)